「子供を産まなかった女性は不幸なのか?」――この疑問に真っ向から挑んだ
最新刊『人生の創造:専門職の女性と子供への希求』(原題Creating a Life: Professional Women and the
Quest for Children)がアメリカで話題を呼んで いる。著者は経済学者のシルビア・アン・ヒューレットさん。
学者の仕事らしく、キャリアを積み上げた「成功組」の女性1647人から
アンケートを収集。結果は、年収10万ドル(約1250万円)以上を稼ぐ女 性の49%が年齢40にして子供ナシだった。
「高給を手にする代わりに子供を諦めたのであれば、それはあまりにも高価な 代償だ。多くの女性は子供を産まなかったことを後悔している」
多くのキャリア志向の女性が20代、30代に男性と同じようにがむしゃら
に働き、気がつくと結婚していない現状に愕然としているという。ヒューレッ
トさんは、60年代に起きたウーマンリブ運動という「家庭から外に出て自由 に羽ばたく」という生き方の弊害が、明確な形として現れたと自戒する。
一方、ビジネス誌『フォーチュン』が2002年3月に開いた『最もパワフ
ルな女性経営者サミット』に参加した187人の71%が平均2.2人の子持
ちだった。ゼロックス社長、ペプシコ社長、エイボン社長、クラフト・フード
社長など、超がつくほどの大手企業の女性社長はみな良妻賢母だ。飛びきり有
能な女性たちは人生の意義を深くとらえ、だからこそ経済面のみならず家庭生
活を重視する。子育てがキャリアを積む上での弊害になるという考えは幻想に すぎない。